岡山県新見市・本誓寺

岡山県新見市・虎勢山 本誓寺は、永代供養及び水子供養を行う、臨済宗(禅宗)寺院です。

参道十三仏25年5月

  • ■釈迦牟尼世尊について

     臨済宗(禅宗)が仏心宗と呼ばれるのは、禅宗が、文字や経典にたよらず、仏の心(正法)を、師から弟子へと直接伝えてゆくことを根本としているからです。ある時お釈迦さまは、霊鷲山(りょうじゅさん)という山に8万人のお弟子を集められました。そこでお釈迦さまは、梵天(インドの神様)が献じられた金波羅華(こんぱらげ)を手に取り、8万人のお弟子に示されました。しかし、多くのお弟子はその意味を理解することができませんでした。ただ摩訶迦葉(まかかしょう)尊者のみが破顔微笑(はがんみしょう)されました。そこで、お釈迦さまは、「我れに正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)涅槃妙心(ねはんみょうしん)あり、摩訶迦葉に我が仏心を授けよう」と言って、正法を伝授されました。これが禅宗における師資相承(ししそうじょう)(師から弟子への正法の直接伝授)の始まりと言われ、仏心宗と言われるゆえんです。お釈迦さまのことを臨済宗では、大恩教主本師釈迦牟尼世尊とお呼びして尊崇します。

  • 釈迦牟尼世尊

    ◆釈迦牟尼世尊(座高1.2m・全長高2.7m)

     お釈迦さまのお像は数多い中で、5種類に分類される。第一は誕生仏、花祭りに甘茶をかけてお誕生を祝う、赤ん坊のお釈迦さま。第二はお釈迦さまが修行をしておられる苦行像で大部分は座禅を組んで精神統一中の、お姿のお釈迦さま。第三は自分の心の内側にある誘惑を退け、迷いを打ち切る降魔成道で、手のかたちが、右手の甲を上に出し、掌を下側にして5本の指を伸ばし、座禅のかたちから、指先は軽く地にさわる、お姿のお釈迦さま。第四は説法をしていらっしゃる、施無畏(せむい)は手のひらを前方に向けて立てた右手を言う、与願(よがん)の印は左手のひらを上向きにする、お姿のお釈迦さまで、指で「転法輪」を結ぶ場合もあります。第五は、お釈迦さまの入滅を表す涅槃像とされています。
    当寺のお釈迦さまは第四の人々に説法しておられるお姿で、施無畏の「施」は施すという意味があり、与願の「与」は与えることを表すものです。そして与願の「願」とは人が望み、追求する目標であり、菩提を求める願を起こすということになります。つまり悟りにたどり着こうと志すことが、「願を起こす」ことであり、願を起こすことが、「発願」となり、それまでにない力がわいてくる、本願力となります。このお釈迦さまの与願印という手のかたちは、仏さまが「願」を「与」えてくださることのシンボルとなります。